高齢者とともに働く機会が増える
高齢者の健康寿命が延び続けています。同時に社会問題となっているのが、15歳以上の生産年齢人口の減少です。こうした傾向から、定年後の再雇用・再就職がますます一般化し、若い世代と高齢者が同じ環境で働く機会は増えていくと考えられます。
社会が変化するスピードは低下
高齢者が活躍し続けることで、社会に豊富な経験にもとづく知見が提供されます。他方、労働力人口における高齢者比率が上がると、必然的に高齢者中心で社会が回っていくことになり、社会全体で変化のスピードがダウンするかもしれません。意思決定権者の高齢化や事業承継の遅れも、その流れに拍車をかけるでしょう。とりわけ、実際の見た目とは異なるアバターで交流できるデジタル空間では、知らず知らずのうちに比率が高くなった高齢者の意思が反映されやすくなると考えられます。
世代差が感じられなくなっていく
一方、スキルを重視するジョブ型雇用が進むことにより、若者と高齢者は互いに学び、能力を高め合えるようになるでしょう。生涯現役をめざす精力的な高齢者は、脳や体力、見た目の維持に取り組み、SNSを通じて若者と価値観を共有する人も増えていきます。日常生活でシニアインフルエンサーを目にする機会も多くなりそうです。これまで若者と高齢者の間にあると考えられてきた価値観や外見のギャップは次第に埋まっていき、いずれは世代という概念がなくなるかもしれません。