家庭に再エネが浸透して脱化石燃料が進む
カーボンニュートラル実現に向けた取り組みの強化や、燃料価格の高騰を背景に、化石燃料から再生可能エネルギーへの移行が加速しています。新築住宅に太陽光発電設備を設置することが義務化されるなど、化石燃料に頼らない生活へのシフトが進んでいくでしょう。
生活する地域の電力需給を気にする人が増加
そうした転換を背景に、各地で地熱発電や小水力発電など自然エネルギーを活用した発電所が地域の共有財として備えられていくと考えられます。すると、発電に適した自然環境をもつ地域の価値は相対的に向上し、移住のニーズが高まるかもしれません。住民たちは、自分が暮らす地域の電力需給バランスに関心をもつようになります。さらに、共有財である発電所の清掃やメンテナンスを自ら行うなど、使命感をもって発電に関わる人も増えていくはずです。
天候に合わせて自動制御できる家電が登場
自然エネルギーの発電量は天候に左右されます。人々は、一週間の天気予報を見て家事のスケジュールを決めるなど、外出するときだけでなく、家にいても天気のことを気にかける天候中心の生活を送るようになるでしょう。天候などの外部条件に左右される生活の不安定さを克服するため、蓄電できる製品や、電力需給状況に応じて電気出力を自動制御できる家電が普及していきます。いずれは家電の使用状況が電力会社によって遠隔で調整されるようになるかもしれません。そうした動きを監視や強制と捉える人々は、電力を自給自足して自由に利用することをめざすでしょう。