お金のデジタル化で金銭感覚が変化
フィンテックの進歩によって、キャッシュレス決済やデジタル地域通貨など、現金を代替するデジタルサービスが身近になってきました。オンライン上で農家と直接つながり支援する対価として野菜を入手したり、地元経済を発展させるために地域通貨での決済を選んだりと、人々のお金に対する感覚も変化しています。
価格は交渉して決めるものになる
データを分散管理するネットワーク「Web3.0」に関する法整備がなされることで、通貨にその流通履歴が記録されるようになります。すると、「地域貢献活動で得たお金」、「社会貢献に積極的な企業が支払った給与」など、お金に金額以外の付加価値が生まれるでしょう。通貨の価値は流通経路によって変わる、という認識は人々に浸透していきます。売買シーンでは、売り手と買い手がそれぞれのソーシャルグッドな活動履歴を開示し合うことで、互いに納得できる料金を決めて価値交換するようになるかもしれません。
消費を通じて価値を循環させる
また、お金のデジタル化が進めば、消費の履歴をデータで振り返ることが一般的になるでしょう。そうした履歴が残らない現金決済を避けようとする動きも生まれます。同時に、学校で金融教育を受けてきた金融リテラシーの高い若者が増加。かれらはお金を蓄えるだけではなく、循環させて公平な社会を実現することに意欲的です。地域貢献を通じて得たお金で、価格が少し高いフェアトレード商品を買うなど、社会の中で価値を循環させる消費行動をとることが当たり前になっていくかもしれません。