気候変動に合わせて暮らしを変える
世界各地で猛暑日を記録する日数が増加しています。学校での子どもたちの活動も、暑さ指数によって制限されるようになりました。二酸化炭素排出量規制といった環境対策だけでは気候変動に対応できなくなりつつあり、暮らしを気候に合わせて変えていく必要性が意識されはじめています。
衣服のセンサで体調管理
気候変動が進むと、人間が本来持つ身体の調節機能だけでは気温の上昇に対応できなくなります。これまで建設現場などで利用されてきた空調機能付きの衣服が、一般の人々の間でも広く活用され、特に子どもや高齢者の熱中症対策など、健康を守るために欠かせないものになるでしょう。また、衣服に取り付けられたセンサが血圧や脈拍、体温といった生体情報をモニタリングして、その時々で適切な体調管理の方法を教えたり、異変の兆候を知らせたりすることで、人々に安心をもたらします。衣服のセンサと連動するエアコンや照明機器、センサ付き衣服を手軽にケアできる洗濯機などの登場も考えられます。
旬や名産品がアップデートされる
また、気候変動は農作物の生育状況にも影響を与え続け、それにより収穫時期や収穫地がずれていきます。水産物の水揚げ地域も変化し続けるでしょう。こうした事態が続けば、人々は多大な労力を割きながら地域の名産品や従来の旬を守ることをやめるかもしれません。おいしいものをおいしい時期に食べたいという人々の欲求は、未来の旬に合わせた食文化を築き、新たな郷土料理や名産品をつくり出していきます。