社会貢献が生活に溶け込む
SDGsの達成期限である2030年を前に、世界中で社会や環境を支える意識が高まっています。日本でも、持続可能な社会の創り手を育てることを掲げた学習指導要領が定められるなど、日常生活の中で社会貢献や環境課題について考える機会が増えました。
「良い行動」でスコアを稼いでいく
意識の変化は行動変容につながります。寄付やボランティアといった活動への参加が盛んになり、社会に良い影響を与えること、いわゆる「ソーシャルグッド」を目的としたサービスやイベントが数多く登場。ソーシャルグッドな活動をスコアリングしてポイントを付与するなどのインセンティブも充実していきます。個人の行動がもたらす効果が可視化されることで、社会のための行動は自らの幸福度を向上させ、誇りや社会的信用につながると捉える人が増えるでしょう。特に、幼い頃から社会が抱える課題について教育を受けてきた若い世代の間では、社会貢献は「余力・余暇でやればいい」から「日常的に行うことが当たり前」へと価値観が変化していくと考えられます。
義務に感じるソーシャルグッド
一方で、活動にやりがいを見出せない人や時間を確保することが難しい人もいます。そうした人たちは、所属する企業や学校、地域などから社会貢献を求められることを重荷に感じながら、仕方なく活動に取り組むようになるでしょう。自分が捨てたゴミを自分で拾うといった自作自演をする人も現れるかもしれません。ソーシャルグッドな行為の健全性を担保する方法を模索することが必要になりそうです。