「食」の環境負荷が注目を集める
サステナビリティが世界共通の関心事となり、食品の生産、流通、廃棄が環境に与える影響に人々の視線が注がれています。生産過程で排出される温室効果ガスの量など、環境負荷に関する情報も開示されるようになってきました。
地球へのやさしさで食品や調理方法を選ぶ
食と環境の関係への関心はますます高まるはずです。スーパーや飲食店では、食材やメニューの環境負荷を数字で示す仕組みが整えられていきます。負荷が一定の基準以下であることを保証する認証制度も登場するでしょう。同時に、多くの人々が食品を選ぶ基準は、これまでの味覚的な「おいしい」から、環境や人権、動植物倫理など多様な観点から見た「地球にやさしい」へと変わっていくかもしれません。さらに生活者の興味が広がっていくと、地球にやさしい食材と環境負荷が低い調理方法を組み合わせて料理をつくる「環境料理家」を名乗る人が現れる可能性もあります。
食の可能性を広げる代替食品
特に、未来の食を考える上で避けて通ることができないのが食肉の問題です。環境保護と動物福祉の観点から、家畜は減り、食肉はハレの日だけのごちそうになるかもしれません。一方で、植物由来の代替肉や、動物の細胞から人工的につくられる培養肉の開発が進みます。新たな食感や形状の食品が生まれ、それまで妥協案でしかなかった代替食品は、食の可能性を広げるものとして認知されていくことでしょう。