ファストファッション批判が強まる
常に最先端の流行を追い求めてきたファストファッションの環境負荷の高さに対して、批判が強まっています。それに伴い、ファッション業界では、リサイクル可能な素材の使用や製造時に排出される二酸化炭素の削減、性別や年齢を問わないデザインの商品開発などが進められています。
フィットする服より着続けられる服へ
生活者が衣服を購入する際の基準は、「いまの自分にフィットするか」より、「数年後も着られるか」「家族や友人とシェアできるか」へと変化するでしょう。耐久性や汎用性が重視されるようになると、アパレルメーカーでは、タイトにもルーズにもサイズ感を調整でき、多様な人が着こなせるアイテムの発売が増えていくはずです。家電メーカーでは、より丁寧に衣服をケアして長持ちさせる技術の開発競争が激化。やがて素材に技術革新が起きれば、生活者自身が天候や行き先に合わせて衣服をデザインし、3Dプリンターなどで出力できるようになるかもしれません。
一着の価値をパッチワークで拡張
廃棄への規制が強まると、アパレルメーカーは製造、販売だけでなく、回収、修理、メンテナンス、二次流通にまで責任をもちながら資源の再利用に取り組むことが当たり前になります。成長に合わせて袖の長さを足す、異なるブランドのフードやポケットを組み合わせるなど、生活者側で衣服をカスタマイズできるパーツが販売されるかもしれません。やがて、自身の変化に合わせて衣服を大切に着続けることがおしゃれだという感覚が広がっていくでしょう。