生活インフラの課題が移住で顕在化する
デジタルの力で地方を活性化しようという動きが進んでいます。また、オンラインで働く環境が整備されたことで、地方での暮らしを求めて移住する人も増えてきました。その一方で問題になっているのが、各地の道路や橋、水道管といった物理的なインフラや、公共設備の維持と管理です。
好きな場所での暮らしを叶える技術が発展
財源の都合でインフラの補修が後回しになる自治体では、住民参加型のインフラ管理が活発になるでしょう。こうした動きは、電力やガス、水などを自給自足で確保できる状態、つまりオフグリッドを実現する技術の発展につながっていきます。これらの技術が確立されれば、人々は都市や集合住宅といった「枠」から解放され、好きな場所で暮らせるようになるはずです。単独での自給自足に不安を感じる人たちは、共同体をつくってエネルギーを共有する生活を送るかもしれません。さらには、水を循環させるオフグリッドな洗濯機などの商品が登場する可能性もあります。
公と私の間にセーフティネットが築かれる
一方で、街の機能も変わっていきます。公共設備の統廃合が進み、たとえば高齢者施設と学校が併合される、使わない道路が公園になるといった変化が起こるでしょう。それをきっかけに、従来閉鎖的だった施設やコミュニティの間で関わりが生まれ、やがて近隣の人どうしが見守り合う共助のセーフティネットが築かれていきます。つながりが強固になることで、自宅を地域間交流の場として開放する人も出てくるかもしれません。