国境を越えて人財の獲得競争が激化
多くの先進国で少子高齢化による労働力不足が深刻化し、国境を越えた人財の受け入れが進んでいます。なかでも、大きな価値を生む「高度外国人材」を獲得しようとする各国間の競争が、激しさを増してきました。円安などを背景に獲得競争に苦戦する日本では、在留資格の見直しといった取り組みをはじめています。
海外人財にとって魅力的な職場をめざす
企業には、海外から質の高い労働力を得るための変革が求められていきます。従来、「お客さま第一」で展開されてきた、コンビニなどの長時間営業や過剰な接客マニュアルは、文化の異なる働き手にそぐわないものとして批判を集めるでしょう。また、AIを活用した翻訳手段の確立、各国の文化や習慣に合わせた業務時間の設定など、外国人視点で魅力に感じられる職場づくりが積極的に進められます。こうした環境整備が進めば、従来のような働き方や就業時間の定型は存在しなくなっていくかもしれません。
外国人が地域を支える担い手に
海外人財の受け入れが進み、外国人と日本人が同じ地域で暮らすことがより一般的になると、地域活動の担い手も変わっていきます。たとえば、消防団やPTAなど地域団体の代表を外国人が務めることも珍しくなくなるはずです。こうした傾向は、人口減少が深刻な地方で顕著になり、外国人は地域の社会や経済を支えるありがたい存在として受け入れられていくでしょう。同じ地域に暮らす外国人はもはや支援の対象ではなく、地方創生の要として、地域の文化を共に担う存在になると考えられます。