あらゆるサステナビリティ情報の開示が進む
SDGsやESG投資への関心の高まりとともに、企業に対して、サステナビリティに関する情報開示を促す動きが強まっています。商品やサービスの原材料調達からリサイクルに至る履歴を可視化した「デジタル・プロダクト・パスポート(DPP)」を導入し、情報の透明性を担保する企業も増えてきました。
厳しい認証基準が共感を集める
企業の開示した情報が目に入るようになると、生活者一人ひとりが自分の納得できる選択基準で買い物をするようになります。商品のサプライチェーン全体に対する理解度の深さを自己表現の一つとして楽しむ人が登場する一方、情報の比較検討が苦痛となり、一定品質を保証するブランドや、AIのレコメンドなど“他者”に判断を委ねる人も出てくるでしょう。他者の基準に満足できない人々は、個人またはコミュニティで独自の認証基準を制定。それによって基準が乱立すると、より厳格なものがサステナブルなブランドとして支持を集めていくかもしれません。
家計全体で社会・環境への影響を実質ゼロに
情報開示が義務化されると、企業はネガティブな情報も公開するようになります。安さを基準に消費を楽しんでいた人たちは、商品の背景にあった強制労働などの実態を知り、自分の選択が人権侵害や環境破壊を助長しているのではないかと後ろめたく感じるようになるでしょう。個別の消費だけでなく寄付などの行為も通じて、家計全体で社会や環境への影響を実質ゼロとすることをめざして行動するようになるかもしれません。