テレワーク技術で拡張された働くチャンス
コロナ禍は、世界に混乱だけでなく、ポジティブな変化ももたらしました。たとえば、テレワーク技術の急速な進歩は、それまで移動に制限のあった障がい者や高齢者の働く機会を大幅に拡張しました。
あらゆる身体能力の差が縮まる
技術革新は今後も進み、身体機能を補うパワーアシストスーツや義肢などの補装具が、ロボティクス技術と結びついて高性能化します。これにより、労働力不足が問題となっている第一次産業などにおいても、体力や年齢に関係なく誰もが働けるようになることが期待されます。たとえば、上腕を支えるパワーアシストスーツがあれば、身体能力の低下した高齢者でも少ない労力で果樹園での収穫作業を行うことができます。さらに補装具の色や素材が多様化してファッション性を楽しめるようになると、身につけたいと考える人が増加。障がい者と健常者の能力差は、次第に意識されなくなっていくでしょう。
働きたい人に合わせた仕事づくりが可能に
また、AIとロボットの技術発展により、人手を必要とする仕事は限定的なものとなっていきます。さらにジョブ型雇用が進めば、労働の機会が限られていた人々の働く場は大きく広がるはず。業務全体のプロセスの中で自らの能力に合った一部の仕事だけを担うことが可能になるからです。年齢、性別、国籍、障がいの有無に関係なく、やりたい気持ちがあれば誰もがどんな仕事にも携われる――テクノロジーの進歩は、労働人口減少が懸念される世界に新たな可能性を示し、人々の働き方を大きく変えていきます。