理念と方針
日立グループの企業理念
当社は、日立グループの企業理念である「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という使命を実現するために、日立創業の精神である「和・誠・開拓者精神」という価値を大切にしています。
「Inspire 2027」と「PLEDGES」
日立が2025年4月に発表した新経営計画「Inspire 2027」では、日立グループ全体で環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献し、持続的に成長することをめざしています。その実現に向けて、同6月にはサステナブル経営の深化を進めるにあたり、新たなサステナビリティ戦略「PLEDGES」を策定、発表しました。
当社も本枠組みのもと、当グループ全体でサステナブル経営を推進・深化していきます。
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GX(Green Transformation):クリーンエネルギーへと転換し、経済社会システム全体を変革しようとする取り組み
当社のパーパス
当社は自らのパーパスを「ひとりひとりに、笑顔のある暮らしを。人と社会にやさしい明日を。私たちは、未来をひらくイノベーションで世界中にハピネスをお届けします。」と定めています。このパーパスは、社内7部門の従業員主導のプロジェクトにより策定したもので、従業員全員が同じゴールに向かって進むための道しるべとして、自らの想いをかたちにしたものです。
マテリアリティの特定 解決すべき社会課題
当社は、パーパスをすべての取り組みや行動の起点として、人々のQoL*1向上やサステナブルな社会の実現に貢献すること、企業として持続的な成長を果たすこと、これらを両立するために、重要課題としてマテリアリティを定め、サステナブル経営を推進しています。
まず、環境課題の解決が不可欠です。環境に配慮した製品開発に注力し、省エネルギー性能のさらなる向上、再生材料の利用拡大に努めています。
資源循環においては、リサイクルしやすい製品設計や新たなリサイクル技術の開発、素材の再生、リファービッシュ品(メーカー再生品)による製品循環を進めています。また、モノづくり拠点における省エネルギー、再生可能エネルギーの活用拡大などで2030年度のカーボンニュートラル達成、さらに2050年度にはフルバリューチェーンでのカーボンニュートラルをめざします。
さらに、家事効率化や健康で豊かな暮らしを支える家電品、医療や産業の高度化・発展に貢献する空気質管理などで、人々のウェルビーイングに貢献します。また、超高齢社会において、より多くの方に使いやすい製品・サービスをお届けできるようユニバーサルデザインやアクセシビリティを高めていきます。
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QoL(Quality of Life)
当社のサステナブル経営の方針・考え方を示す概念図
SDGsへの貢献
日立グループの企業理念と当社のパーパスのもと、当社は社会課題の解決に貢献することをめざしています。これは、世界共通の目標であるSDGsがめざすものと合致していると考えています。
この中で「事業を通じた社会課題解決による貢献」と、「事業を支える経営基盤強化による貢献」として計12の目標をSDGs優先課題として特定しています。
未来洞察
当社は、サステナブル経営を推進する上で未来洞察の考え方を取り入れています。
地球環境・社会環境が絶えず変化し、さまざまな課題が複雑に絡み合う時代において、当社を取り巻くステークホルダーの皆さま、特にお客さまの価値観がどのように変化し、多様化していくのかを深く洞察することが重要です。
私たちは、この変化する価値観やライフスタイルに常に思いを巡らせることで、次世代を見据えた持続可能な事業活動へと転換を図ります。
そのために、当社は「2035年の22のきざし*1」を策定し、さまざまな活動に活用しています。きざしとは、未来の価値観変化を洞察したものです。私たちは、きざしを活用したステークホルダーとのコミュニケーション、新しい製品やサービスの開発、経営戦略の立案・実行などを通じて、社会的責任を果たしながら持続可能な成長を遂げることをめざしていきます。
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きざし:2010年に日立社会イノベーション協創センタ(現デザインセンタ)が社会イノベーション事業に関わる未来洞察を行うためのリサーチ手法として考案し、現在、日立グループ内、およびパートナー企業との顧客協創による新事業開発で活用されているものです。
きざしとは
「2035年の22のきざし」は、「衣・食・住・活・働」を暮らしを支える5つの柱と定義し、それらを中心に生活者の価値観変化を捉え、「2035年の人々はこういう考え方や行動をとるようになるかもしれない」という観点でまとめています。
将来の生活者の価値観変化を洞察した22のきざしから将来のニーズを検討し、中長期の経営戦略や次世代の製品・サービスの仕様や技術を導出する、バックキャストの考え方を用いたビジョン駆動型の意思決定プロセスを導入しています(右図参照)。
生活者の暮らしに寄り添いながら潜在的に感じている困りごとに気付き、さらには将来の社会変化から生まれる課題を先んじて捉える未来志向の視点で、生活者のQoL向上とサステナブルな社会の実現に貢献します。
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PEST:社会や企業を取り巻く外部環境を「Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)」の4つの観点から分析し、将来的な影響やリスク、機会を把握するためのフレームワーク
2035年の「人視点のビジョン」
2024年度には全9部門から集まった若手・中堅従業員によるワークショップを実施し、きざしを起点に2035年の社会像を描きました。
そこでは、さまざまな業界の現場の最前線で、頭脳と肉体の両方を駆使して働くフロントラインワーカーが生き生きと働き、同時に地域や社会に貢献できる社会像を描いています。従業員によるワークショップ結果をまとめ、サステナブル経営と事業ビジョンをつなぐ、当社がめざすべき「人視点のビジョン」を形成しました。
2035年の「人視点のビジョン」
WXで心豊かな暮らしを。
GXで持続可能な未来を。
人々の毎日に寄り添い続けます。
当社の2035年の「人視点のビジョン」の概念図
2035年の「人視点のビジョン」が実現した日常
フロントラインワーカーのウェルビーイングを24時間365日支援し、笑顔のある暮らしを提供すると共に、その価値を職場や社会、環境へ広げ、持続可能でグリーンな社会をめざします。
「2027中期経営計画」と重点取り組み
パーパスの実現に向けて
地球環境・社会環境が絶えず変化していく中で、WXとGXを掛け合わせ、人々の毎日に寄り添い、心豊かな暮らしと持続可能な未来を築きます。
重点取り組み
日立グループの新経営計画「Inspire 2027」が掲げる、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献するため、当社は2つの重点分野で製品ライフサイクル全体を通じた価値最大化への取り組みを進めています。
グリーン×クーリング分野では、基盤事業をグローバルに拡大し、持続可能な社会の実現をめざします。また、ウェルビーイング分野では、お客さまと直接つながることで体験価値を高め、豊かな生活の実現に寄与します。
当社の提供価値