環境への取り組み
自然共生社会を
めざす取り組み
方針/考え方
日立グループは、自然共生社会の実現をめざし、環境長期目標に自然資本へのインパクトの最小化という目標を設定しています。
自らの事業活動における温室効果ガスや化学物質の大気への排出、廃棄物の発生などを「負のインパクト」、生態系の保全に貢献する当社の製品・サービスの提供、生物多様性や生態系の保護活動などを「正のインパクト」として、2050年までに正負のインパクトの差を最小化するための取り組みを推進しています。
取り組み
自然資本へのインパクト最小化に向けた取り組み
当社は、自然資本への「負のインパクト」を減らしていくために、LCI(ライフサイクルインベントリ)データベースを用いて、事業活動に伴う影響評価を行っています。2022年度の評価では、地球温暖化・土地利用・資源消費・都市域大気汚染の領域で94%を占める結果となりました。これらは、エネルギーの使用や原材料の調達に起因するため、脱炭素社会や高度循環社会をめざす取り組みをさらに強化することで、「負のインパクト」を減らしていきます。
また、「正のインパクト」を増やす活動としては、自然保護に関する社会貢献活動を推進していきます。
生態系保全の取り組み
当グループは、原材料の調達や製品の製造、輸送時のエネルギー使用など、全てのバリューチェーンにおいて、少なからず生態系に影響を与えています。
そこで私たちは生態系に配慮するため、具体的な活動内容を示した日立グループ「生態系保全活動メニュー」に基づき、事業所ごとに活動しています。
製品含有化学物質の管理
自然資本へのインパクト最小化のために、製品に含有する化学物質の管理に取り組んでいます。
当社では、「環境CSR対応モノづくり規程」を制定し、製品の開発設計段階から、材料や部品の調達、製品の製造の各段階における材料・部品などに含有する化学物質の管理を行っています。その中でも特に重要な材料・部品などの調達における含有化学物質の管理は、日立グループとして公開している「日立グループグリーン調達ガイドライン」に従って厳しく管理しています。製品に組み込まれる材料、部品はもとより、製造工程で使用する油脂類など、製品にかかわる全ての購入部材について、サプライヤーの協力を得ながら、化学物質の含有量調査を実施しています。さらに、J-Moss※1に基づき製品の化学物質の含有情報をウェブサイトで開示しています。※2
- ※1
- JIS C 0950「電気・電子機器の特定の化学物質の含有表示方法」の通称
- ※2
- 冷蔵庫、洗濯機・衣類乾燥機、電子レンジ
製造拠点における化学物質の管理
当社は、自然資本へのインパクト最小化のために、都市域大気汚染の原因の一つである揮発性有機化合物をはじめとする化学物質の管理と削減に取り組んでいます。
製造拠点から排出される化学物質は、「2024環境行動計画」において、化学物質大気排出量原単位※3を指標として、目標を設定し、大気排出量の低減活動を推進しています。
また、日本のPRTR法※4に基づき、対象となる化学物質の大気や公共水域などへの排出量、廃棄物として敷地外や下水道に排出した移動量を把握し、その実績を製造拠点ごとに地方自治体に報告しています。
- ※3
- 化学物質大気排出量を活動量で割った値
- ※4
- 特定化学物質の環境への排出量の把握等および管理の改善の促進に関する法律