社会への取り組み
人財マネジメント
考え方
当社は、人財がさまざまな価値の源泉であると考えており、従業員の力を結集することでお客さまと社会にさまざまな価値を提供し、サステナブルな社会の実現に貢献することをめざしています。その実現に向けて、一人ひとりが尊重され、自分の力を最大限に発揮できるインクルーシブな環境づくりや、経営リーダーの育成、DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速するデジタル人財の獲得と育成を推進しています。
推進体制
当社では、経営幹部を構成メンバーとする「人財戦略会議」を定期的に開催し、当グループの持続的な成長に向けた人財戦略および人財マネジメント施策について議論・意思決定を行っています。これにより、施策の着実な実行と継続的な改善を推進しています。
取り組み・実績
経営リーダーの選抜・育成
当社は、変化・変革を牽引する経営リーダーの中長期的な育成(Global Leadership Development Program:GLD)に取り組んでいます。当社の変化・変革を牽引する経営リーダー候補を各部門から選抜し、タフアサインメント*1を取り入れたOJT(On the-job Training)やOff-JT(社内外トレーニング)、コーチングを実施しています。
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*1
タフアサインメント:高難度の業務を割り当てること
デジタル人財の獲得・育成の強化
当社では、事業成長に必要なデジタル人財の確保に向けた取り組みを強化しています。日立グループ内外からプロフェッショナル人財を積極的に採用する一方で、日立グループ独自のDX研修体系の活用、実務経験を通じた人財育成、デジタルスキル活用支援プログラムの充実など、内部人財の育成にも注力しています。これらの施策により、2025年度末までに約850名規模のデジタル人財の育成を目標としており、継続的に組織全体のデジタル競争力強化を進めています。
デジタル人財の人数
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適所適財の実現に向けた取り組み
当社は、組織目標達成のための最適な組織体制構築と組織全体のパフォーマンス最大化、フォーメーション最適化のための人財確保・配置を検討するプロセスを組織編成・人財配置ポリシーとして規定し、適所適財に向けた組織・ポジションマネジメントを徹底しています。
ポジションに求められる能力要件を満たす人財配置を基本とし、年齢・性別・国籍などの属性を問わず、社外を含めた多様な人財を活かし、さらなる成長をめざします。
カルチャーの醸成・従業員エンゲージメントの向上
ERG(従業員リソースグループ)活動
当社では、パーパスの社内浸透を目的として、従業員主導によるボトムアップ型のERG*1活動を推進しています。
この取り組みでは、部署を超えたメンバーが共通のテーマについて語り合い、それぞれの業務への理解を深めたり、新たな気づきを得たりする機会を創出しています。
また、「学びたい」「知りたい」という従業員の声に応え、従業員自らが講師となって勉強会を開催するなど、自発的な学びの場づくりにも力を入れています。
こうした活動を通じて、従業員同士のつながりを強化し、組織全体の活性化とパーパスの浸透を図っています。
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*1
ERG(Employee Resource Group):共通の特性や経験に基づいて活動する従業員主導のグループ
「学習する組織」の構築に向けた人財育成の取り組み
当社では、社員の成長を支える教育体系を「3要素構造」として整備しています。
第1要素:全社共通要素
社員一人ひとりが自主的に“学び合う”文化を育むことで、組織としての一体感を高め、ビジョンやマインドの共有を図っています。
第2要素:階層別要素
職種や職能を問わず、新入社員から6年目までの全社員が必須で受講する研修を通じて、キャリアアップに必要な知識やスキルを体系的に習得します。さらに、中堅社員、主任、課長、部長といった各階層に応じて、経験や役割に合わせた研修を継続的に提供し、長期的な自己成長を支援しています。
第3要素:職能等固有要素
各人の職能や専門性に応じて、スペシャリストとしての成長を促す専門教育をタイムリーに実施しています。
教育体系
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教育実績(2024年度)
| 従業員一人当たりの 年間教育時間 |
44.3時間 |
| 従業員一人当たりの 年間教育投資額 |
77,934円 |
ジョブ型⼈財マネジメントへの転換
当社は、ジョブ型人財マネジメントへの転換を図っています。これを通じて、職務(ジョブ)と必要なスキル・経験を明確化し、その職務を担える人財を本人の意欲・能力に応じて登用することができるようになり、従業員一人ひとりの働きがいや、会社と個人との一体感を高め、双方の成長を実現していきます。
当社では、“職務と人財の見える化”を図るべく「ジョブディスクリプション(職務記述書)」の導入や、各従業員の適性やキャリア志向を踏まえた配置・育成を検討する「タレントレビュー」などに取り組んでいます。
自律的キャリア形成の支援
当社では、従業員の自律的なキャリア形成を支援する取り組みとして、Will・Can・Mustのフレームワークを活用した、上長・部下間での面談を定期的に実施しています。これによりキャリアの実現に向けたアクションプラン策定の支援を強化し、個人の主体的なキャリア形成や能力開発への具体的な取り組みを促進しています。
従業員一人ひとりの個性や志向を尊重しながら、自己理解やキャリアプランニングを支援することで、個人の意欲や能力をパフォーマンス・エンゲージメントの向上およびウェルビーイングの充実につなげていきます。
グローバル人財マネジメント基盤の順次導入
当社では、日立グループ共通の人財マネジメント基盤を導入・活用しています。
グローバル⼈財マネジメント統合プラットフォーム
本プラットフォームを通じて、従業員のスキルやキャリア志向など最新の人財情報データをクラウドシステムで共有しています。グローバルでの人財検索や情報の収集、チームマネジメントへの活用、パフォーマンス管理や育成計画・キャリア開発など、さまざまなプロセスを一元管理することをめざしています。
⽇⽴グローバル・グレード(HGG)
多様な人財が事業を推進していくためには、役割・仕事基準の人財マネジメントが必要です。それを実現する手段の一つが「日立グローバル・グレード(HGG)」です。すべての組織におけるポジションについて、日立グループ共通の基準に基づく職務評価を実施の上、グレード付けしています。
タレントレビュー
当社は、職務と人財のマッチング強化、育成を図る取り組みとして「タレントレビュー」を導入しています。各職場のマネージャーは部下との個別の面談により、パフォーマンスやキャリアプランなどを確認したのち、複数のマネージャーによる従業員一人ひとりのレビュー機会を設けます。ここでは、従業員の強みと弱み、キャリア志向を踏まえ個別の育成や職務のアサインについて検討します。これらにより、職務と人財のマッチングを促し、従業員のキャリア育成と組織力の強化に結びつけていきます。
グローバル・パフォーマンス・マネジメント(GPM)
組織と個人の継続的な成長をめざす業務マネジメントおよび成果強化の基盤となるのが「グローバル・パフォーマンス・マネジメント(GPM)」です。日立創業の精神を踏まえ、日立がサステナブルな成長をめざす上で期待される行動を日立グループ コア・コンピテンシー(行動目標)として設定し、適用しています。上司は部下の目標達成に向けたコーチングやフィードバックを行い、パフォーマンスの継続的な改善を促して中長期的な人財育成につなげています。個人に求められる行動や能力だけでなく、自身の行動が事業の成功にどう寄与しているかを明確にすることで、仕事にやりがいを感じ、主体的に取り組める人財の育成を推進しています。
公正な評価・処遇の徹底
当社は、多様な人財が活躍するには人財を公正に評価・処遇するための仕組みを構築する必要があると考え、報酬に関して「市場競争力の確保」「ペイ・フォー・パフォーマンス」「透明性の維持」を基本理念とする仕組みを構築しています。
報酬の決定にあたっては関連する法令を遵守しています。例えば最低保障賃金等の遵守のため、網羅的かつ定期的なチェックを行い、違反のないことを確認しています。
また、事業の労働市場に合わせた適切かつ競争力のある報酬体系を整備した上で報酬決定の仕組みを社員に周知し、毎年、すべての社員のパフォーマンスを評価した上で、報酬額を決定しています。
さらに当社では、すべての社員に対し、個人のパフォーマンスおよび会社業績に応じて報酬額が変動する仕組みを導入しており、評価結果に加え「評価を通じて把握した各人の強みや改善すべき点」「今後の業務における課題・目標」をフィードバックし、個人の成長を促しています。