事業の概要
デジタル技術を活用したコネクテッド家電*1やソリューションをデータでつなぎ、お客さまの暮らしに寄り添う生活パートナーとして、ウェルビーイングで心地よい暮らしや持続可能な社会を実現することをめざしています。
解決したい社会課題
脱炭素やサーキュラーエコノミーなどの取り組みを通した環境課題解決への貢献、また、少子高齢化が進み家事の担い手が減る中、フロントラインワーカーを支える事業として、ライフサイクル全体を通じてデジタルでお客さまとつながることで、家事負担を軽減しながら、新しい関係構築を通じた価値提供をめざしています。
環境(E)分野
脱炭素社会の実現のため、省エネルギー性能に優れた製品や、環境負荷の低い製品を提供しています。
省エネルギー性能に優れた製品の開発
2024年度発売製品の一例をご紹介します。
環境負荷の低い製品開発
省資源化への配慮
当社は、製品の開発・製造において資源の有効活用を重視し、省資源化を積極的に推進しています。設計段階から素材の使用量を削減する軽量化や、リサイクル可能な材料の採用を進めることで、限りある資源の消費抑制と廃棄物削減を実現しています。これにより、製品のライフサイクル全体で環境負荷を低減するとともに、循環型社会の構築に貢献しています。
長期使用への配慮
お客さまに製品を長く使っていただくために、使用時のお手入れ容易化をはかっています。
解体性への配慮
部品点数の削減や、解体性を改善する技術開発により、リサイクルの容易性を高めています。
事例紹介①ドラム式洗濯乾燥機 BD-STX130K [2024年11月発売]
お手入れ容易化(長期使用)
製品本体上面の乾燥フィルターをなくした「乾燥フィルターレス」構造と、3つの自動おそうじ機能で、お手入れの手間の軽減やごみ捨て頻度を低減しています。
事例紹介②スティッククリーナー PV-BH900SM [2024年9月発売]
お手入れ容易化(長期使用)
リサイクルしやすさの改善(解体性)
先端をループ状にした回転ブラシ「からまんブラシ」は、髪の毛などがからまりにくく、また、容易に外せて水洗いも可能にしています。さらに工具無しで取り替えられる「カセット式リチウムイオン電池」を採用し、サービス性やリサイクルの容易性にも配慮しています。
事例紹介③オーブンレンジ MRO-W10B [2023年7月発売]
部品点数削減 (解体性)
お手入れ容易化(長期使用)
事例紹介④冷蔵庫 R-MR7S [2022年4月発売]
リサイクルしやすさの改善 (解体性)
リファービッシュ事業の拡大
当社では、資源循環を促進するため、 2021年11月からアウトレット品の販売を、さらに、 2022年10月からリファービッシュ事業を開始し、サービス事業を拡大しています。
リファービッシュ品(メーカー再生品)とは、お客さま宅に配送後に開梱した時、もしくは短期間使用後に、外観または性能に一部不具合がありメーカーに返品された商品を再生したものです。
不具合部分の部品交換に加え内部の清掃や外観検査、性能検査などを実施し、合格した製品を当社のオンラインストアにおいてリファービッシュ品として販売しています。
また、アウトレット品とは、梱包材に汚損、破れ、傷つきなどが生じていたり、商品の外観に凹みや傷つきなどが生じたものの、商品本体の性能には問題が無い場合において、梱包状態や商品の外観をWebサイトで説明し、当社オンラインストアのアウトレットコーナーで販売しているものです。
リファービッシュ品(メーカー再生品)として販売するまでの流れ
再生プラスチックの利用拡大
当社はさまざまな製品において、再生プラスチックの利用拡大に取り組んでいます。
事例紹介①冷蔵庫 GPPSリサイクル技術の活用
不純物の混じったGPPS*1再生プラスチックの透明度を改善する技術を活用し、再生プラスチックの利用拡大に取り組んでいます。
事例紹介②洗濯乾燥機 意匠部品への再生プラスチック利用拡大
再生プラスチックの利用拡大のために、大物プラスチック部品を多く採用する意匠部品への適用を推進しています。
再生プラスチック材は、製造工程で発生する黒い炭化物が意匠面に黒点として現れることがあるため、目立たない大物プラスチック部品をグレーに着色することで炭化物を目立たなくしています。こうした工夫により部品成型時に発生する不良を低減し、廃棄物を削減しています。
事例紹介③スティッククリーナー PV-BH900SM[2024年9月発売]
本製品では、2023年度モデルPV-BH900SLと同様、製品本体のハンドルカバーや付属品のスタンド式充電台等に使用しているプラスチック素材のうち、再生プラスチックを質量比で40%以上使用しています。また、使用する再生プラスチックの種類を入手しやすさや質感の観点から見直し、高い品質感を保ちながら積極的に活用しています。
さらに、塗装や印刷などの二次的な加工を極力排除することで、リサイクル性にも引き続き配慮しています。
環境配慮デザインの運用開始
当社では、製品ごとに構造や素材・運転方式等に関する自社基準を定めており*1、それらを満たした製品を「環境配慮デザイン」製品として、Webサイト等での展開を2024年より開始しています。今後も適用機種を拡大していく予定です。
社会(S)分野
誰もが使いやすい商品づくり
表示の見やすさや操作性の向上、構造の配慮による、誰もが使いやすい商品づくりに取り組んでいます。
2024年度発売製品の一例
ビートウォッシュ 全自動洗濯機 BW-X100K
投入口が低く、洗濯槽は浅いので、衣類が取り出しやすい構造
ビッグドラム ドラム式洗濯乾燥機 BD-STX130K
直感的に使いやすい操作部
ヘルシーシェフ 過熱水蒸気オーブンレンジ MRO-W10B
直感的に使いやすい操作部
火加減マイスター IHクッキングヒーター N2000Tシリーズ
直感的に使いやすい操作部
パワーブーストサイクロン コードレススティッククリーナー
PV-BH900SM
左右どちらでも切り替え可能な排気口構造
圧力&スチームふっくら御膳 IHジャー炊飯器 RZ-W100GM
持ち運びや洗米時に便利な軽量内釜
QoLを高める商品づくり
時短や省手間など、使用するお客さまの生活を豊かにし、QoL*1を高める機能の開発に取り組んでいます。
2024年度発売製品の一例
パワーブーストサイクロン コードレススティッククリーナー
PV-BH900SM
スマートフォンで軌跡が見えて、上手に掃除できるようにサポートすることで、掃除を楽しく、達成感が得られる「ARおそうじ」
冷蔵庫カメラ R-HXCC62X
専用アプリを通して外出先で庫内の状態を確認したり、食材の管理ができる冷蔵庫カメラを搭載
ビッグドラム ドラム式洗濯乾燥機 BD-STX130K
お手入れは2週間に1回でOKの「らくメンテ」機能や洗濯機内部を念入りにお手入れする「らくメンテ洗浄コース」を搭載
ヘルシーシェフ 過熱水蒸気オーブンレンジ MRO-W10B
・おまかせで簡単、おいしいオートメニューの充実
・外して丸洗い可能な庫内プレートで簡単お手入れ
火加減マイスター IHクッキングヒーター N2000Tシリーズ
おまかせで簡単、おいしいオートメニューの充実
CONTENTS日立の暮らし展望台
当社家電品にまつわるサステナビリティへの取り組みを紹介するWebコンテンツ
TOPICS2025年度の取り組み
日立ブランドの家電品5件が2025年度グッドデザイン賞を受賞
冷蔵庫「Chiiil with Karimoku」
ドラム式洗濯乾燥機「ビッグドラム」 BD-SX130シリーズ
コードレススティッククリーナー
「ラクかるスティック」「かるパックスティック」
スティッククリーナー向けアプリケーション「ARおそうじ」
当社は今後も家電品を通じた社会課題の解決と新たな価値創出に貢献する取り組みを推進していきます。
FOCUS再生プラスチック使用拡大に向けた家電統合製造プロセスの構築
近年、サステナブルな製品開発が企業競争力の鍵となる中、日立グループでも「日立環境イノベーション2050」においてすべての製品への環境配慮デザイン適用などを掲げ、GX*1のグローバルリーダーをめざしています。
その中で、当社も家電品における再生プラスチックの活用を積極的に推進しています。特に、ポリプロピレン(PP)を中心とした高純度再生材の製造技術と、製品設計段階からのリサイクル適正化に注力しています。
雑多なプラスチックを、使える素材へ
再生プラスチック使用拡大においては、2つの大きな課題がありました。1つめは、廃家電由来のミックスプラスチックには色や使用年数、材質の異なる素材が混在しており、異物の分別や除去が困難であること。2つめは、意匠性や強度が求められる機能部品に使用するには、バージン材と同等に近い品質まで改善する必要があることです。
当社はこの課題に対し、当グループ内の家電リサイクルのノウハウと、長年培ってきたプラスチックの製造・活用技術を結集。廃棄から製造へとつなぐ、グループ一体のリサイクルプロセスを構築しました。
技術の融合が生んだ、革新のプロセス
まず、冷蔵庫・洗濯機などの代表的な製品における再生プラスチック使用率拡大に向けて、従来は使いこなせなかったミックスプラスチックから、製品に使用可能な高純度なPPを回収する技術を開発しました。分別工程では、浮沈選別装置を導入し、混入比率のばらつきを吸収する適切な条件設定を確立。さらに異物除去工程では、複数のフィルタ工程を持つ自動化ラインを構築し、高い水準での異物排除を可能にしました。
そして、これまでの樹脂活用ノウハウをさらに改良し、再生プラスチックにおける製品品質を改善。部品ごとに求められる意匠性や強度に応じて、あらゆるアイデアを導入し、繰り返し評価を重ねることで、適用を推進しました。
未来への基盤技術を確立
これらの取り組みにより、当社は2024年度の再生プラスチックの適用部品数を拡大。製品の環境配慮デザインとしての訴求力を高めるとともに、さらなる適用拡大に向けた基盤技術を確立しました。
この革新的なプロセスの実現には、グループ内の多様な知見と技術の連携が不可欠でした。家電リサイクルの現場で培われた分別・回収のノウハウ、プラスチック成形の技術者による素材特性の理解、製品設計部門による意匠・強度の要求仕様の明確化―それぞれの専門性が有機的に結びつくことで、従来は活用が難しかったミックスプラスチックを、製品に使用可能な高品質素材へと進化させました。
このような社内・グループ内連携は、単なる技術共有にとどまらず、「環境配慮デザインを全製品に適用する」という共通のビジョンのもとで、部門を越えた協働を促進する原動力となっています。
顧客価値の視点:環境配慮が選ばれる理由に
再生プラスチックの活用は、環境負荷の低減という社会的価値を持つだけでなく、製品を選ぶお客さまにとっても新たな価値を提供します。当社では、再生素材を使用しても意匠性や耐久性を損なわない設計や、見た目や使い心地に妥協しない製品づくりを追求しています。こうした取り組みにより、環境に配慮した選択を求めるお客さまが納得して製品を選べるようになり、「サステナブルであること」が、単なる付加価値ではなく、製品を選ぶ際の重要な基準として社会に定着していくことをめざしています。