社員紹介 [製造・生産技術] K.S - 日立グローバルライフソリューションズ株式会社

製造・生産技術 K.S ホームソリューション事業部
冷熱家電本部生産技術部生産グループ 2019年入社｜工学部機械工学科卒

PROFILE

就職活動を行う上で軸としたのは、仕事をしている実感、確かな手応えを身近に得られる職業に就きたいということだった。自らの仕事の成果を普段の生活で実感できなければ、仕事が単なる作業になってしまい、長く続けることは困難になると考えたからだ。そこで身近にあるものを考えたとき着目したのが｢家電｣。必ず家庭にあるものであり、家電に携わることで、仕事をしている確かな実感、そしてやりがいを感じられると思った。日立の製品は、家電メーカーの中でも、大学時代からその製品に触れていたことから親しみがあるメーカーだった。また、国内に注力して事業を展開していること、日立グループの総合力にも惹かれて入社を決めた。

現在の仕事内容を教えてください。

入社以来担当しているのが、冷蔵庫製造における自動化設備の開発です。自動化設備の開発はメカ設計者と制御設計者に分かれており、私はメカ設計を担当しています。自動化設備開発は、要素検討から始まり、設備のメカ設計、制御設計、組立、動作調整、そして生産工程に設備導入という流れになりますが、制御設計を除いたすべての工程にメカ設計は関わります。現在取り組んでいるのは、冷蔵庫の冷凍室、野菜室の扉枠締め組付け装置の立ち上げです。扉をネジ打ちする際、3次元カメラの画像をもとにロボットが自動で扉を組み付けるというもの。その構造設計を進めています。

どのようなところに
仕事のやりがいを感じますか？

栃木事業所の冷蔵庫生産の大きな特徴は｢混流生産｣であることです。これは一ラインに複数の機種を混ぜて流す製造ラインのこと。段取り替え時間や、機種切り替え時間などが短縮でき、多品種少量生産でありながら、少品種大量生産に近い生産性向上とコスト抑制効果が得られます。生産ラインにも様々な工程があり、設備開発ごとにどうしたらその工程を自動化できるか、どのような構造が最適かを検討しますが、正解というものはありません。｢自分発信｣で最適解を導いていくことにやりがいを感じています。

印象に残っている取り組みを教えてください。

入社1年目、新人の私が担ったミッションは、｢ストレッチフィルム梱包機｣の設計であり、その立ち上げでした。｢ストレッチフィルム｣というのは、製品が完成し段ボールに詰められて出荷する直前に、製品を梱包するフィルムのことです。透明で自己粘着性があり、荷崩れ防止や製品保護のために採用されています。私が取り組んだのは、このストレッチフィルム装着の自動化であり、ほぼ一人で設計しました。栃木事業所で初めての試みであり、新人に任せることに驚くとともに、チャレンジの機会を若手に与えてくれる会社であることを、入社早々実感しました。

ストレッチフィルム梱包機とはどのようなものなのですか？

完成した冷蔵庫がラインで流れてくると、バーコードで製品情報を読み取り、その情報が梱包機設備に送られます。梱包機は情報を元にロールから寸法に合わせたフィルムを巻き取って引っ張り、冷蔵庫にフィルムをかぶせて、離す。この一連の流れを自動化しました。この間のタクトは21秒。その後バージョンアップし、現在はさらなるスピードアップも含めた検討を進めています。

自動化が実現したときの率直な感想は？

自動化設備での多くは多関節ロボットと呼ばれる6軸駆動が可能なロボットが使用されています。しかし、ストレッチフィルム梱包機の自動化では、多関節ロボットは使わず単軸駆動のロボットのみで構成しました。冷蔵庫は大型製品のため、コンベア上で冷蔵庫を被せるには約3m以上の高さから行う必要があり、また、設備の設置場所を考慮すると、多関節ロボットの重量では安全性が懸念されたからです。単軸駆動ロボットというのは、多関節駆動よりも設計内容が複雑で、実際の設計は試行錯誤、大変苦労しました。そして実際に設備が稼働したとき、やりがい以上に、心から感動しました。感動を体験できる会社に入社したのだと、しみじみ思いました。

今後どのような技術者をめざしていますか？

今の担当業務は自動化設備のメカ設計ですが、制御設計までできるようになりたいと思っています。設計を行い組み立てるだけでなく、自分自身が設計した機械を自分自身で動かすところまで設計できるようになりたいですね。というのも、メカ設計で想像通りの構造は組み上がるものの、制御の設計者からこのメカ構造では動作ができないと言われることが少なくありません。それは、制御分野の知識が浅いから。制御の分野の知見を増やすことで、トータルでより良い自動化設備を開発していきたいと考えています。

その目標に向けて取り組んでいきたいことを
教えてください。

現時点では、メカ設計でも未熟な部分があります。多くの自動化設備の経験を積み、まずはメカ設計分野の知識を広げていき、その上で、少しずつ着実に制御の知識を吸収していきたいと思っています。また、技術者としての成長に向けて取り組んでいるのが、｢技術士｣の資格取得への挑戦です。難関ですからそう簡単に取得できないと思いますが、受験資格を満たす経験年数に達した後、果敢に挑戦していく考えです。同時に、｢冷蔵庫生産・100%自動化｣という夢にも挑戦していきたいと思っています。

MESSAGE

就職活動を控えている学生の方に伝えたいのは、創造豊かな考えを持つ大切さです。答えを一つと決めつけず、あらゆる可能性を考えてください。それが家電であれば、より優れた製品を開発するきっかけにもなりますし、画期的な生産技術に繋がることもあります。栃木事業所で私が担当している生産技術は少数精鋭、周囲を巻き込んでタッグを組んで進めています。家電の設計以上に、自分発信で、自分の考えや想いを形にできるのが生産技術です。栃木事業所で、皆さんと一緒に仕事ができる日を楽しみにしています。