現在の仕事について教えてください。
現在所属している第一設計部では、国内及び海外向けの大型・中小型冷凍庫の設計開発を行っています。当社はカメラ付き冷蔵庫や、野菜室と冷凍室の切り替えを自分で設定できる冷蔵庫など、画期的な製品を多数市場に送り出しています。設計部はそれら製品開発の中心となります。冷蔵庫の構造設計は、冷凍庫の扉、筐体、棚や容器などの内装、冷蔵庫を冷やすための風路や冷凍サイクルを設計するチームに分かれていますが、私は冷蔵庫の土台となる筐体設計を担当しています。
冷蔵庫の筐体設計に求められるものは?
筐体設計に限らず、冷蔵庫の設計開発で常に追求していることの一つは、大容量化の実現です。外形寸法がほぼ決まっている中で、いかに内容積を拡大するか。これはいずれの冷蔵庫メーカーも取り組んでいるテーマです。私の担当である筐体は内容積に大きく関わってきます。シンプルに言えば、筐体の壁の厚みをより薄くすれば内容積は拡大します。しかし筐体の壁は、冷蔵庫の強度や断熱性能といった冷蔵庫にとって極めて重要な機能を持っているため、単に厚みを薄くすればいいわけではありません。冷蔵庫の強度を確保し、かつ十分な断熱機能を有した状態で「薄壁化」を実現すること。それが常に追求しているテーマの一つになっています。
最近、手掛けた具体的な製品を教えてください。
GXCCタイプの大型冷蔵庫です。これは幅88㎝、奥行きが約65㎝というスリム化を実現した、670Lの大容量の冷蔵庫。内容積拡大は冷蔵室天井などを部的に薄壁化することで実現しました。また奥行きがスリムで幅88㎝という寸法特有の構造的問題の解決にも取り組みました。実際の製造においても、新規構造の採用で組み立て作業を改善することで、生産性向上も実現しました。スマホと連動するカメラやチルド室の高い保鮮機能などの付加価値も備えた、当社のフラッグシップといえる冷蔵庫だと思います。