家電サービス プロジェクトストーリー
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「修理だけじゃない!」
家電アフターサービスの多様な業務
「家電アフターサービス」と聞くと、修理対応を連想する方が多いと思います。もちろん修理も大切な業務ですが、日立グローバルライフソリューションズの家電サービス本部には、研修や商品開発、組織のマネジメントなど、ほかにもさまざまな職務があります。ニーズの変化や技術革新を視野に入れ、お客様から寄せられる日立ブランドへの信頼に応えていく――このミッションに向けて、各分野でどのような取り組みが実践されているのか、ご紹介していきます。
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日立の家電製品をお使いのお客様がお困りの際に
迅速に訪問し、的確な修理対応で信頼を得るお客様からコールセンターに修理のご依頼が寄せられると、サービスエンジニアに情報が送信されます。サービスエンジニアは、お客様から頂いた情報を基に修理部品を準備し、迅速にお客様のお宅を訪問します。
以上が修理対応の主な流れですが、修理に求められる技術レベルによっては、サービスエンジニア単独では対応しきれないケースもあります。このような場合、技術担当員がサービスエンジニアの相談にのったり、現場に同行するなど、現場のサポートを行います。
なお、修理料金が高額になってしまう場合や、部品保有期間が過ぎて修理できない場合などは、「新品に買い替えたい」というニーズが発生します。昨今では、新品購入についても現場のサービスエンジニアが対応できる体制を整え、ビジネスチャンスを創出できるようにしています。 -
サービスエンジニアのレベルアップを推進し
日立ブランドイメージの向上に努める家電サービス本部では、サービスエンジニア向けの研修を企画開催しています。
以下に主な研修メニューを紹介します。
(1)新製品研修
新製品の発売前に特徴や取り扱い上の注意点などを説明し、将来の故障・修理対応に向けて必要な知識や技術を習得してもらいます。
(2)フォローアップ研修
エアコン修理繁忙期である夏場を迎える前に、エアコン修理に関する研修を実施したり、各サービスエンジニアからのリクエストに応じてテーマを決めて研修を実施するなど、適宜開催しています。
上記のほか、新人サービスエンジニア導入研修、取引先向けサービス技術研修、安全作業研修やマナー研修なども実施し、サービスエンジニアの修理対応クオリティの向上や、日立ブランドの信頼性向上を図っています。なお、日立グローバルライフソリューションズでは、入社2年目の若手社員でも、研修の講師役を務めてもらいます。教える立場を経験することが自身のレベルアップにもつながるからです。 -
お客様や技術担当員のご意見を
真摯 に受け止め
より良いモノづくりへ繋げる「商品開発は、商品企画部門や製造部門の領域では?」と思われるかもしれません。しかし、日立グローバルライフソリューションズは、製造・販売・アフターサービスが一体の会社であるため、家電アフターサービス部門も商品開発に深く関わります。日ごろの業務を通じ、実際に日常利用されている製品に接する機会が多いお客様や製品を販売していただくお取引先から、各種情報のフィードバックをいただくことで、製品クオリティの向上につなげているのです。家電アフターサービス部門の商品開発への関わり方は主に以下のような例があります。
(1)お客様やお取引様の声を商品企画部門にフィードバック
「●●になっていれば、もっと使いやすくなる」など、お客様やお取引先様からの貴重なご意見を収集し、商品企画部門にフィードバックします。
(2)故障の傾向をより早くキャッチして製造部門にフィードバック
修理対応を重ねていると、修理時の作業効率を上げるための改善点、お客様から見た改善点などが見えてくるものです。こうした気づきを製造部門に伝えることで、製品のクオリティ向上につなげます。
日立グローバルライフソリューションズでは、現場の声を最も重視しています。貴重なご意見を、品質向上や日立ブランドの信頼性向上につなげるべく、モノづくりへの迅速なレスポンスを心がけています。 -
将来の家電アフターサービス事業を見据え
体制・仕組みを最適な姿に導いていく修理対応のクオリティ向上と迅速化を実現させるためには、現場で対応するサービスエンジニアや技術担当員の知識・技術レベルを高めることも重要ですが、課題をより大きな視点からとらえ、仕組みや体制を整えていくことも大切です。売上目標設定や実績管理をはじめ、新規サービスエンジニアの採用や育成、各種業務の効率化施策の立案・実施、エリア特性に応じたアクションプランの立案など、さまざまな角度からサービス品質の向上をめざすことになります。
マネジメント業務を担うようになると、多種多様な関係者と連携することになります。経営者の視点を養いながら、5年後・10年後の家電アフターサービス事業のあり方を創造していくという、ダイナミズムを経験できるのが特徴です。 -
修理サービスのクオリティ向上や
修理のスピードアップをめざす実務のなかにはIT化によって高効率化や省コスト化を図れる余地が多く残されています。家電サービス本部でも、現場でどのような問題やニーズが発生しているのか、耳を傾けながらデジタルトランスフォーメーションを推進しています。
なかでも注力しているのが、修理サービスの標準化です。修理現場のなかには、故障原因の特定や修理作業に豊富な知識や高度な技術を要するケースがあります。しかし、AIによるディープラーニングや、修理実績のデータベース化を進めれば、オンラインを通じて即座に対処法を調べられるようになるため、エンジニアの対応幅が広がります。ひいては、修理対応の迅速化や、作業クオリティの標準化に繋がります。
将来的には、IoTでお客様がご使用中の製品の状況をリアルタイムでモニタリングすることで、故障が発生する前に点検をご提案するなど、高度なビジネスモデルの創出にもつなげていきたいと考えています。 -
リピーター創出のため、あるべき姿を追及
サービス品質を高めることで信頼を得る家電サービス本部では、顧客満足度向上のため、修理のご依頼を受けてから解消するまでの日数や対応内容などをデータ化しています。また、定期的なアンケート調査やWebを用いたお客様満足度調査等を実施しています。こうしたデータやアンケート調査をもとに、強みや更に改善すべき点を明確化し、各サービスエンジニアにフィードバックしています。先に紹介した研修なども交え、更なるサービス品質の向上に向けて取り組んでいます。