うれしい洗い上がり、うれしい仕上がりを届け続ける日立の洗濯機。
進化は、お客さまの幸せのため。
日立のタテ型/ドラム式洗濯機の開発者が、その思いとともに、技術の進化を語ります(全2回)。
第1回はタテ型洗濯機「ビートウォッシュ」です。
「ビートウォッシュ」は2004年の発売から今年でちょうど20年。
高い洗浄力はそのままに、衣類を長くきれいに着られる洗濯機に進化しました。
「[衣類長もち]ナイアガラ ビート洗浄」はどのように誕生したのでしょうか。
高い洗浄力で、布傷みを抑えてスピーディに洗う「[衣類長もち] ナイアガラ ビート洗浄」
「[衣類長もち] ナイアガラビート洗浄」はどんな機能でしょうか?
隠れ汚れまで落とす高い洗浄力で、布傷みを抑えてスピーディに洗う洗浄方式です。まず、少ない水で洗剤をしっかり溶かして、高濃度の洗剤液をつくり、衣類にすばやく浸透させて汚れを浮かび上がらせます。次に、大流量の水で洗い流して、しつこい汚れもすっきり洗い上げます。高低差を減らしたビートスロープでやさしく衣類を入れ替えるので、衣類の負荷を減らし、布傷みを抑えることができるんです。
「[衣類長もち] ナイアガラビート洗浄」を開発したきっかけは?
ここ最近、サステナブルをキーワードにいろいろなサービスや製品が開発されています。社内でも、衣類を長もちさせたい、布傷みを低減させたい、という声が上がっていました。
しかし、タテ型洗濯機の洗浄方法は洗濯槽底面の回転羽根をまわして、回転羽根と衣類との摩擦で洗浄力を向上させることがメイン。当然ながら摩擦は衣類を傷めてしまいます。衣類の摩擦を抑えながら、日立の強みである高い洗浄力も・・・この両立というか二刀流は、とてもむずかしいのです。
単純に衣類の傷みを低減するコースとして「デリケート」コースや「おしゃれ着」コースというのがありますが、これらのコースは洗浄力をちょっと抑えめにしているんです。
それに、お気に入りの衣類は人それぞれで、おしゃれ着やデリケートな衣類だけじゃないんです。そうしたとき、例えば、お気に入りのTシャツが長もちすれば、お客さまもうれしいはず。標準コースで、ふだん着をやさしくしっかり洗うことができるビートウォッシュを世に出したい!と思いました。
高い洗浄力はそのままに布傷みを低減へ。進化のポイントは?
はじめに日立の洗浄方式の特長である「高濃度洗浄」をなんとか進化できないかと考えました。「高濃度洗浄」は、洗い始めに洗剤液が高濃度であることで、衣類への浸透や汚れへの吸着の活性化が期待できますが、さらに進化させるためには、これまでよりもっと洗剤液を早くまんべんなく衣類に浸透させる必要があります。
そこで、洗剤液を洗濯層内で循環させる経路として、底面の回転羽根に着目しました。回転羽根の中央に循環流路を設けて、洗剤液の循環効率をアップさせたんです。これは苦労しましたね。さらに苦労したのが、回転羽根の表面形状の変更です。
高濃度洗浄の進化の次は、回転羽根の表面形状の変更で布傷み低減を?
はい、衣類の傷みを低減するには、回転羽根と衣類との摩擦を集中させないこと、つまり、衣類を大きく入れ替えることが必要だと判断しました。そこで、衣類の入れ替えを促進する形状を検討したんです。回転羽根の負荷トルク(回転羽根を回す力)の解析なども日立グループ内の研究所と協力して実施し、思うような動きになるまでは、表面凸部の角度や高さを手加工で調整し、試行錯誤を繰り返しました。
両立できたのは、すごいことですよね!
検証に検証を重ねてやっとたどり着いた回転羽根ですからね。でも、これにより、しつこい汚れまで落とす洗浄力はそのままに、色あせやほつれを防いで布傷みを低減できました。さらに、この「[衣類長もち] ナイアガラ ビート洗浄」では、洗い時間も短縮※できて、うれしかったですね。
※ 2021年モデルBW-X120G、洗濯目安時間43分(標準コース)と、2024年モデルBW-X120K、洗濯目安時間35分(標準コース)との比較。一般社団法人 日本電機工業会自主基準「洗濯性能評価方法」によるものです。
大林さんが手がけた「ビートウォッシュ」。どんな人に届けたいですか?
高い洗浄力のまま、布傷みを抑えて洗えるのは、日々のお洗濯で大きなメリットになると思っています。この「ビートウォッシュ」なら、皮脂汚れや泥汚れをしっかり洗い落して、お気に入りの衣類が長く着られる。しかも短い時間で洗える。気持ちよくお洗濯をしながら、衣類も時間も大切にできる毎日が、お客さまのあたりまえになってくれるとうれしいですね。