私たちは、事業活動を推進することにより、少なからず生態系に影響を与えています。当グループでは、生態系保全の一つとして、生態系に影響を与える可能性のある化学物質を適正に管理します。

生態系の保全と企業のかかわり

私たちの生活は、大気・水・土壌・動植物などの自然資本によって提供される、さまざまな自然の恵み(生態系サービス)によって成り立っています。この自然の恵みを将来にわたって享受できる自然共生社会を実現するため、日立は「環境長期目標」において自然資本へのインパクトの最小化という目標を設定しました。
事業活動における温室効果ガスや化学物質の大気への排出、廃棄物の発生などを「負のインパクト」、生態系の保全に貢献する自社の製品・サービスの提供、生物多様性や生態系などの自然保護に関する社会貢献活動などを「正のインパクト」として分類し、2050年までにその差の最小化に取り組んでいます。
当グループにおいても、原材料の調達や製品の製造、輸送時のエネルギー使用など、全てのバリューチェーンにおいて、少なからず生態系に影響を与えています。
そこで私たちは、「事業を通じた貢献」と「自然保護に関する社会貢献活動」の両面から、「生態系サービス」を維持・回復するよう努めています。

生態系と企業のかかわり

生態系と企業のかかわり

このうち「事業を通じた貢献」としては、生態系への負荷を軽減する設計・生産活動を推進するとともに、フロン排出抑制に貢献するソリューションや環境負荷の低い製品を提供しています。化学物質の管理についても、生態系の保全活動の一環と位置づけ、適正に管理しています。

環境配慮への取り組み~環境負荷の低い製品開発をめざして

当社では、資源循環型社会に貢献するモノづくりを推進しています。具体的には、製品本体の減量化・減容化、使用段階における省エネ・省資源や、長期使用の促進、手解体・分別処理の容易化などを考慮した製品設計・開発に取り組んでいます。

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コードレススティッククリーナー
PV-BH900J

多彩なツールや便利機能はそのままに、吸引力を強化しつつ、市場でトレンドとなっている軽量ニーズに応え、新規ファンモーターの小型化などにより軽量化を実現しました。

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タテ型洗濯乾燥機
BW-DX100G

スマートフォンで使い方やお手入れ情報を提供します。また、本体に搭載していない新たな洗濯コースをダウンロードできる機能を搭載したことで、長期使用にも配慮しています。

また、再生プラスチックの使用率を40%以上(*1)としたコードレススティッククリーナーを製品化(*2)しました。異物の原因となりやすい塗装や印刷などの二次的な加工を極力排除することでリサイクル性にも配慮しました。この製品は「グッドデザイン金賞」(*3)を受賞しました。

*1 製品本体のハンドルカバーや付属品のスタンド式充電台等に使用しているプラスチック素材のうち、再生プラスチックを質量比で40%以上使用
*2 2022年8月発売
*3 2022年10 月受賞 主催 公益財団法人日本デザイン振興会

画像: 自然共生社会をめざす取り組み
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コードレス スティッククリーナー
PV-BH900SK

本製品は、外観部品を含めた製品を構成する多くの部品を再生プラスチックに置き換えながら、外観品質を損なわないデザインにチャレンジしました。異物が目立たないダークトーンを基調とした色調を採用し、樹脂の種類や表面処理を使い分けることで、再生プラスチックを40%以上使用しながら、高い質感に仕上げています。

製品含有化学物質の管理

生態系保全活動の一つとして当グループでは、製品の開発設計段階から、材料や部品の調達、製品の製造の各段階における材料・部品などに含有する化学物質の管理を行っています。特に重要な調達における化学物質の管理は、日立グループとして公開している「日立グループグリーン調達ガイドライン」に従って、厳しく管理しています。製品に組み込まれる材料、部品はもとより、製造工程で使用する油脂類など、生産にかかわる全ての購入部材について、サプライヤーの協力を得ながら、化学物質の含有量調査を実施しています。さらに、J-Moss(*1)にもとづき製品の化学物質の含有情報をWebサイトで開示しています。(*2)

*1 JIS C 0950「 電気・電子機器の特定の化学物質の含有表示方法」の通称
*2 冷蔵庫、洗濯機・衣類乾燥機、電子レンジ、エアコン

画像: 製品含有化学物質の管理

生産プロセスにおける化学物質削減

当グループでは、大気汚染を防止するために、化学物質を適正に管理するとともに、工場から排出される揮発性有機化合物(VOC)などの排出削減に取り組んでいます。
活動目標としては、化学物質大気排出量原単位(*3)の改善に取り組んでいます。2021年度は、2010年度比118.1%を目標に活動し、実績は57.8%と目標を大きく上回り達成しました。
2022年度は、新たな環境行動計画に基づき、引き続き化学物質大気排出量の削減に取り組んでいきます。

【対象:日立グローバルライフソリューションズの製造拠点】

化学物質大気排出量原単位の改善(2010年度比)

画像: 化学物質大気排出量原単位の改善(2010年度比)

*3 化学物質大気排出量を活動量で割った値
*4 化学物質大気排出量と密接な関係をもつ値(例:化学物質取扱量、生産高など)

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